胃薬
幼少期のお話。
それはもう、近所でも評判のかわいらしいお子ちゃまだったわ。
近所の八百屋さんでは帰りにお菓子をもらって(危なくねぇか?)
近所の魚屋さんでは焼き穴子の焼き立てを一本もらって(おいしかったぞ)
道を歩けば知らない大人から「どこ行くの?」と声をかけられ(親の知り合いだから危なくないよ)
何の話?
ああ、幼少期、母が看護師だったのでよく病院で遊んでたの。
かくれんぼしたり優しい看護師さんにお絵かきさせてもらったり勉強もしてたわね。
病院で仕事をしている人を見るのって楽しかったわ~
その頃、お薬大好きだったの。
薬剤師さんが胃薬のような白い粉をホットサンドメーカーみたいな薬を1回分ずつに梱包する機械を使って処方されたとおりに作ってたわ。
あれ、面白かった。4×5くらいのマス目になってるところにビニールをぴーって左から引っ張って出して、乗せていくの。その後もう1枚を同じように引っ張って出したら上からプレス。
だったかな?
そういう作業をお薬に囲まれて真剣な顔してやってらっしゃる薬剤師さんをみて「やりたいな」
って思ったっけ。飲むときに思い出しながら飲んでたな。
あれ?あれって一包化されてたわ。
お薬の中でも好きなのは胃薬。
結構小麦粉っぽい胃薬で「ザ☆漢方薬」的な香りのするものが超好きだった。
胃が悪くもないのに飲みたくなっちゃうのよね~
そういえば、お薬は昔、薬包紙で1回分ずつ包装していたということを母から聞いたことがある。
その折り方を、折り紙を折っていた私に教えてくれたっけ。。。今じゃ考えられないね。1回分ずつ手作業だなんて。