病理学とは(4)最終診断学ともいう
循環とは、
心臓から出ていく血管を動脈、心臓へ戻ってくる血管を静脈という
小循環とは心臓と肺との間の血管系、大循環とはそれ以外の臓器との間の血管系のことである
循環障害
組織の酸素欠乏を生じる基本的な状態は虚血とうっ血であり、全身的な循環障害としてはショック(末梢循環不全)がある
循環障害を起こすと死につながる終動脈は(肺・脳・心臓・腎臓・下肢の先の方)などがあり、詰まって梗塞を起こすとその先の細胞が壊死する
局所循環障害 基本的病態
うっ血: 静脈血の還流が妨げられることにより局所の血管内に静脈血が増加した状態である。局所は紫藍色になる(チアノーゼ)
出血:血液の全成分が心臓や血管の外に出ることをいう
局所循環障害 特別な型
梗塞:機能的終末動脈の閉塞により起こる
水および電解質代謝異常
水分分布
全身の水の量は脂肪を除く体重の約70%であり、
細胞内に体重の約50% 細胞間組織間隙に16% 血漿中に4~5%分布する
水分の調節
血漿浸透圧が上昇すると視床下部から下垂体紅葉を経由して分泌される抗利尿ホルモン(ADH)により、腎尿細管での水の再吸収が増加し、水分排泄を抑える
副腎皮質から分泌されるアルドステロンはナトリウムの再吸収を増加させ血漿浸透圧を上昇させる。
血漿膠質浸透圧に対してはアルブミン(血液を濃くするもの)の影響が大きい。アルブミンが減ると血液が薄くなる⇒体の水分が増える
浮腫(水腫、腔水症)
浮腫液は濾出液(漏出液)と呼ばれるが、炎症性浮腫などで血管透過性が亢進している場合は浮腫液中のたんぱく質含有量が多く滲出液と呼ばれる
全身的な循環障害
ショック(末梢循環不全)虚脱
末梢血管において急激に始まり、持続性である血液量の減少、急激な血圧低下をいう
※アレルギー性ショック⇒アナフィラキシー
ショック時に変化を受けやすい臓器に(腎臓・心臓・脳・肺・肝臓・消化管・副腎)がある
高血圧症
心不全
左心不全では(肺)に障害が生じ、(右心室・右心房の右神経)が障害される
右心不全では(肝臓・下腿など全身性)に障害が生じる⇒浮腫
心臓左右どちらかの不全になった方の(手前)の臓器が不全となる
大切なのは収縮よりも拡張(心臓内に血液を引き込む方)である
炎症とは、炎症の5徴候とは ①発赤 ②腫脹 ③局所の発熱 ④疼痛 ⑤機能障害
炎症性細胞の種類
顆粒球(多核白血球) ⇒ 好中球
リンパ球と形質細胞 ⇒ リンパ球 形質細胞
炎症の経過
急性炎症 好中球が主体 数日~2、3週経過で治癒
慢性炎症 リンパ球や形質細胞が主体 数か月~数年で急性炎症から移行
炎症の分類:肉芽腫性炎 結核症
感染経路
初期変化群 結核病巣(初感染巣)を作る
第2次結核症
結核病変の基本構造
乾酪壊死巣⇒柵上に並ぶ類上皮細胞(ラングハンス型巨細胞)⇒Tリンパ球浸潤
梅毒
3週間で初期硬性(こうせい)下疳(かれつ)
3か月で皮膚にバラ疹・リンパの腫脹
3年でゴム腫⇒進行麻痺・脊髄瘻(せきずいろう)となる
<これはあくまでも校内の試験対策の域の記録>