病理学とは(3)最終診断学ともいう
⑩退行性病変と進行性病変
☆退行性病変
壊死
凝固壊死⇒心筋梗塞 乾酪壊死
液化壊死⇒脳梗塞 液状に変化
壊疽⇒水死体 2次的に乾燥したりガスが発生したりする
細胞の自発的な死のこと⇒プログラミングされた死 枯葉のようなもの
萎縮
大きさが縮小する⇒単純萎縮 数が減少する⇒数的萎縮
生理的萎縮:加齢による(脳・胸腺・卵巣・精巣)
圧迫萎縮:長時間の機械的圧迫(褥瘡として肩甲骨部・仙骨部・踵部)
廃用性萎縮(無為萎縮):長時間使わない状態にしておく(ギプスなどによる)
中毒性萎縮:ホルモン薬の投与による(投薬により産生を抑制していたために起こる)
※ヨード⇒甲状腺 ステロイド⇒副腎皮質
変性
形態学的な変性 と 代謝障害としての変性
☆たんぱく質代謝異常
アミロイドーシス(アミロイド変性):正常な体内では存在しないアミロイドというたんぱく質が沈着する
☆アミノ酸代謝異常
脂質代謝異常(脂質変性):日本の医療費を圧迫している2大疾病
・脂質異常症 ※遺伝性と炭水化物や脂肪を多量に摂取したときに起こるものがある
⇒脳卒中・心臓病
・動脈硬化症
☆糖質代謝異常(糖質変性)ブドウ糖は肝細胞にグリコーゲンとして蓄えられる。
血中で血糖となるため膵臓からインスリンが分泌され、インスリンによって細胞内に取り込むことができるようになり、ATP(エネルギー)=CO2とH2Oになり体外へ排出
消化吸収後ブドウ糖(血糖)+インスリン⇒エネルギー(ATP=CO2+H2O)
☆色素代謝異常(色素変性)
黄疸の原因 ①肝前性(溶結性貧血)②肝性(肝炎)③肝後性(胆石・肝癌⇒つまって胆汁が出ないと灰白色の便がでる)
☆進行性病変
肥大
作業性肥大⇒高血圧による心肥大
代謝性肥大⇒一方がもう一方を補うために肥大する
再生
完全再生:完全に元の形に戻る⇒毛髪・爪・表皮・粘膜など
不完全再生:完全には元の状態に戻らないもの⇒病気や組織の欠損に伴うもの
再生力の強い組織:結合組織・末梢神経・表皮・粘膜上皮・肝細胞など
再生しない組織:中枢神経・心筋など
化生 別のものが再生されること
胃壁は壁細胞から胃酸を生成している⇒潰瘍ができると扁平上皮で再生される
肺は線毛上皮細胞でできている⇒破壊されると扁平上皮で再生される(ホメオパシス)
損傷の修復と肉芽組織(コラーゲンを作る)
肉芽組織は(炎症細胞・毛細血管・線維芽細胞)からなる⇒最終的に瘢痕組織となる
<これはあくまでも校内の試験対策の域の記録>